榾火山の会

(ほだびやまのかい)

参加者  OM(CL),AM、IA、OR、KY、KK、SM、YK 8名
記録
2018年07月17日 利尻島・鴛泊への移動日
毎年宿泊する勇払の「ビジネスホテル はちのへ」を何時もの通り早朝に出発。南千歳駅で、釧路湿原のカヌ-下りに行くYKさんを下ろし、稚内港まで1日かけて縦断です。宿泊した「夕陽館」からは明日登る利尻山が夕陽に輝いて、明日の好天を約束しています。

 

鴛泊へのフェリ-にて                 夕方の利尻山

07月18日 利尻山
予想通り快晴です。宿の車で同宿の方男女各一名と一緒にキャンプ場まで送って頂き(男の方とは途中で追いつき、その後は下山まで殆ど一緒でした)、早々に出発。初めは樹林帯の緩やかな道が五合目まで続きますが、視界が開けるにつれて急坂になって来ます。第一見晴台まで登ると、眼下に利尻島空港を初め鴛泊、更に礼文島も眺められるようになって来ます。

 

キャンプ場出発                   第二見晴台にて

ネットの情報では利尻山が最も混雑する日は200人以上の登山者が居て大混雑との事ですが、今日は海の日も終わって一段落と言った所でしょうか。花も所々に現れて直射日光の暑さを慰めてくれます。

 

長官山(8合目)にて              頂上直下のザレ場

 

最後の登り                   利尻山山頂背景に

八合目の長官山まで来ると山頂が姿を現れますが、此処からが正念場です。九合目からは火山礫が登山道を覆っており踏むたびに少しずつ崩れ落ちていく火山礫を止める方策が色々なされているようですが、これだけ崩壊が激しいと維持するだけで膨大な労力が注ぎ込まれているのが推測されます。此処を乗り切るとやがて山頂です。山頂のすぐ横にマグマの通り道が固まって出来たと言われている「ロ-ソク岩」がそそり立っています。山頂には20人ほどの先客ですが、ゆっくりと休憩出来ます。遥か彼方に高い山が見えますが同定は出来ません。昼食後下山開始。

 

利尻山山頂にて                 山頂より礼文島

崩れやすい火山礫の急坂を下り、八合目・長官山まで下ればやれやれです。その後も抜かれることは有っても、抜くことは無い様なペ-スで午後5時前にキャンプ場に下山。お疲れさま。

利尻山ル-ト図(クリック拡大)
コ-スタイム
利尻北麓キャンプ場 (5:00~5:13) →五合目(6:50)→八合目・長官山(9:15) →利尻山山頂(11:25~12:00) →九合目(12:55) →八合目・長官山(13:45) →第二見晴台(14:00) →五合目(15:35) →四合目(16:10) →利尻北麓キャンプ場(16:55)

07月19日 南暑寒別岳への移動日
8:30鴛泊港発のフェリ-で稚内港へ戻り、宗谷岬を見学後南下し、滝川駅でYKさんをピックアップして宿舎の川町の「サンヒルズ サライ」へ移動。
07月20日(南暑寒別山転じて旭山動物園に変更)
朝起きて外を見ると、今にも降って来そうな空模様で山は雲の中です。各部屋で朝食後南暑寒荘へ向かいます。ところが道路の脇に、南暑寒荘への道は先日の大雨で崩壊し通行止めとの看板が有ります。ネットで林道の状態を調べた時には通行止めの情報は無かった為、念のためそのまま進みますが、南暑寒荘のかなり手前で通行止めです。止む無く21日に登る予定のニセイカウシュッペ山に向かいますがこれもゲートの手前の橋の所が崩れており、それ以上進めません。以前電話でゲ-トの鍵番号を確認した時にはそのような情報は一言も無く有りませんでした。ネットで林道情報を検索すると19日の更新で林道の通行止めが記載されていました。念の為営林署に電話して通行できる林道を尋ねましたが全て通行不可との返事で万事休す。どこか登れそうな山を皆で探しますが適当な山が無く、相談の結果、旭山動物園見学に決定。見学後、当麻町の「まさ屋旅館」に移動。ここでORさんと合流。明日は本来ならニセイカウシュッペ山ですが林道崩壊に付き、又、22日も天気予報は思わしくなく、大雪山・赤岳~緑岳の縦走が危ぶまれる為、全員が登ったことが無い大雪山・緑岳に登ることに決定しました。

07月21日(大雪山・緑岳)
今日からはORさんも加わり全員揃いました。今日も曇り空ですが、朝食後直ぐに出発。ガタガタの道を登って明日宿泊予定の大雪高原荘に到着。何台か車は止まっていますが既に皆さん出発した模様。稜線は雲に隠れて今にも降りそうな中、出発です。第一花畑までの急登途中で大きなザックを背負った4人パ-ティ-を追い越しますが、彼らは今日白雲岳避難小屋に泊まってトムラウシ山に縦走との事。一度歩いてみたいル-トです。第一花畑の手前で雨が降り出したので雨具を着て登ります。エゾコザクラ、キバナシャクナゲ等が木道の脇に咲いています。

 

第二花畑への雪渓               道端のエゾコザクラ

晴天なら緑岳と共に絶景でしょうが、今日はガスが濃くて視界は全く在りません。第二花畑まで何回か雪渓を横切りますが、雪面は氷化していて滑りやすく慎重に登ります。ちょっとした岩場を越えるとハイマツ帯の道になりますが、下山してくる方に聞くと山頂付近は吹き飛ばされそうな強風で赤岳までの縦走を諦めて下山しているとの事。岩がゴロゴロした急斜面の道に掛かると急に風が強くなって雨も交じって横殴りに吹き付けてきますが、幸い雨は直ぐに止んで風だけになり、強風な割に寒さは感じられませんのでそのまま強風に煽られながら登り続けると頂上直下で道端に一株だけコマクサが咲いています。皆さん強風下の悪天など忘れた様に写真タイムです。登るに従って風は益々強くなって、辛うじて辿り付いた緑岳頂上はうっかり気を緩めると吹き倒されそうな強風で姿勢を低くしてストックテで支えます。何年か前の秋、草津白根山以来の強風です。

 

最後の急斜面を登ります            頂上直下にて

一株だけのコマクサ

 

緑岳山頂にて 1               緑岳山頂にて 2

頂上で全員の写真を撮って早々に下山開始。少し下ると徐々に風も収まりハイマツ帯に潜り込んで昼食。ちょっとした岩場の下で5人程の女性パ-ティ-がコ-ヒ-タイムの様でしたが、悪天に付きここで引き返すとの事。大雪高原荘に下山したのは午後3時前。本降りの雨にも会わず、強風の中山頂まで到達出来て幸いでした。ガタガタの道を下り本日宿泊する「ペンション銀河」に到着。ここで明日予約していたタクシ-、車回送を全てキャンセル。

緑岳ル-ト図(クリック拡大)
コ-スタイム
大雪高原荘(7:45~7:55) →第一花畑(8:50)→第二花畑(9:10) →緑岳(11:20~11:30) →第二花畑(13:40) →第二花畑(13:55) →大雪高原荘(14:55)

07月22日 大雪山・赤岳~緑岳縦走転じて臨時休養
本日は予報通り雨。ゆっくり朝食後、富良野の観光に出かけることに決定。富田ファ-ムで「花」、「サンタのヒゲ」でメロン+ソフトクリ-ム。最後は「旭川ラ-メン」で締め、再び昨日のガタガタ道を登って「大雪高原荘」へ。

メロン+ソフトクリ-ム

07月23日 大雪高原・沼巡り
本日は昨日と打って変わって好天です。午前7時から「ヒグマ情報センタ-」でレクチャ-を受け沼巡りに出発。残念ながら道が崩壊しているとの事で周回は出来ず、高原沼までの往復です。全員長靴で歩きます。昨日沼巡りでは「花」が見られるかどうか、高原荘の従業員に聞いてもはっきりとした返事は無かったのであまり期待していませんでしたが、エゾコザクラ、ミズバショウ、リュウキンカ等の花、昨日強風下に登った緑岳、残雪の沼と稜線の緑との絶景が見られ、又双眼鏡でのヒグマ観察、おまけに帰路、鴨沼からの下りに後ろ姿もチラリとみられて満足の沼巡りでした。

 

緑沼にて                    鴨沼への道にて

 

大学沼にて                  渓流のリュウキンカ

 

大学沼背景に高原沼へ             高原沼、緑岳背景に
午後からは大雪山から一気に太平洋岸の浦河「昇月」旅館まで走りました。

大雪高原・沼巡り

コ-スタイム
ヒグマ情報センタ-(7:00~7:10) →周回ル-ト末端分岐(7:35)→土俵沼(8:05) →緑沼(8:15)→湯沼(8:30) →エゾ沼(8:45) →大学沼(9:05) →高原沼(9:30~9:40) →緑沼(10:15) →周回ル-ト末端分岐(10:45) →ヒグマ情報センタ-(11:10)

07月24日 楽古岳
本日はそこそこの天気の模様ですが、楽古岳に近づくにつれて稜線は雲に隠れて全く見えなくなりますが、その内に雲も取れるだろうと気を取り直して楽古山荘到着。楽古山荘は内部も清掃されていて一度泊まってみたい小屋です。日も差してきて今日の好天を期待して出発。早速渡渉ですが水量は少なく長靴ですので気楽に水の中に入っていけます。遡行するにしたがって沢は流木がジャングルの様になって大きな岩もゴロゴロしておりテ-プが無いとル-トが分からなくなるほど荒れて来ますが、6回渡渉すると尾根末端の登り口に到着。

 

楽古山荘出発                  3度目の渡渉

 

支尾根に登り着きました             急登です

ここで長靴を登山靴に履き替えて登りが始まります。登り初めは笹藪状態の道で歩きにくい。支尾根に登り付くと少しはましになりますが、一部笹が刈り払われてはいますが大部分は笹が被さって足元が見えにくく歩きにくい。おまけに急登と周囲はガスに覆われ展望は無く、癒してくれる花も無く結構疲れます。稜線に出ても相変わらずガスの中を登り楽古山頂到着。

 

楽古岳三角点タッチ                楽古岳山頂にて

 

登って来た沢と尾根               倒木が大変です
山頂は虫が濃密に飛び交っています。好天なら日高南部の山々を一望できるとの事ですが。虫+ガスで記念写真を撮って早々に頂上を辞し少し下って虫が居ないところで昼食。順調に下山し、デポしていた長靴に履き替え沢を下って午後4時過ぎに無事楽古山荘到着。

 

お疲れ様                   楽古岳ル-ト図(クリック拡大)
これで山の予定は終了です。途中みついし昆布温泉で入浴と夕食を済ませ、明日別便で帰宅するORさんを苫小牧駅で下ろし、午後9時半頃東苫小牧フェリ-タ-ミナル到着。
コ-スタイム
楽古山荘(7:20~7:35) →登り口(8:40)→稜線(11:30) →楽古岳(12:05~12:40) →稜線下降点(13:00) →登り口(14:50) →楽古山荘(16:15)

今年で5年目の北海道例会。予定していた利尻山、南暑寒岳、ニセイカウシュッペ山、大雪山・赤岳、緑岳、楽古岳の6山の内、利尻山、緑岳、楽古岳の3山しか登れませんでした。好天に恵まれたのは利尻岳だけで、事前の情報収集の不十分さを含めて不本意な結果になってしまい、皆さんには申し訳ない結果の例会でしたが全員無事に終えられ、皆さんに感謝いたします。