榾火山の会

(ほだびやまのかい)

参加者   IS(CL)、IA、OM、TK、             4名
2023年8月9日
前夜は富山のビジネスホテルに宿泊し、林道ゲートが開く午前6時に間に合う様に出発します。ゲ-ト前には既に10台以上待っています。ゲートで通行料2000円支払い林道を走り折立キャンプ場の駐車場に到着しますが、駐車場は既に満車状態でかろうじて末端に駐車します。後から来る車は離れた臨時駐車場に行っています。準備後出発。

折立を出発                   三角点より弥陀ヶ原と剣岳、立山が見えて来ます

早朝に付きまだ涼しい中を登って行きますが、若者たちが次々と我々ロートルパ-ティ-を抜いて行きますので、其の度毎にミニ休憩しながら登って行きます。三角点付近から太郎平に繋がる穏やかな尾根が正面に見えて来ます。左に目を転じると弥陀ヶ原と後ろに奥大日が見えて来て、高度を上げて来たのが実感できます。一旦下り樹林帯を抜けると両側に植生保護の為の棕櫚製ネットがかぶせられた緩やかな斜面に設置された階段を登り太郎平への尾根に登り着きます。

有峰湖を背景に登ります             太郎平小屋に到着

五光岩に到着する頃には雲が降りて来て天気が悪化してきます。午後から雨が降るとの天気予報通りの展開です。石井さんに道端の花の名前を教えて頂きながら太郎平小屋に到着。多くの登山者がベンチで休憩中です。我々は此処に宿泊ですので受付を済ませて割り当てられた個室に入りますが、急に雨が降って来ます。暫くすると一旦止みますが、再び降る可能性が有り薬師岳ピストンを諦めて小屋でのんびりすることにします。夕方になり天気は回復し、雲海をオレンジ色に染める落日を見ることが出来ました。

太郎平の落日                    夕照、薬師岳
コ-スタイム
折立駐車場(6:40~6:46)→登山口 (6:59) →三角点 (8:44~8:51) →五光岩ベンチ (10:22~10:34) →太郎平小屋(11:20)

8月10日
今朝は予報通りピ-カンの快晴です。少し風が有りひんやりしますが日が当たると直ぐに暑くなるでしょう。急坂を下ると薬師沢最初の渡渉点です。角パイプのしっかりした橋が架けられていますが夜露で滑りやすくなっているので慎重に渡ります。辺りはミヤマトリカブトが群生し秋の風情です。12年前はハクサンフウロ、ニッコウキスゲ等夏の花々が賑やかでしたがすっかり季節が変わった様な気がします。

北ノ俣岳の夜明け、左手に下って薬師沢へ       薬師沢へ

昨日程では有りませんが、次々と追い抜かれながらゆっくり薬師沢小屋に下って行きます。薬師沢小屋は水が豊富でビ-ル、ジュ-ス等が冷やされています。沢装備の方が河原に降りて行かれますが、黒部源流の沢登りでしょうか。小屋でゆっくり休憩後吊り橋を渡りいよいよ雲ノ平への急登に掛かります。

雲ノ平へは薬師小屋の吊橋から   大岩がゴロゴロする急登が続きます

滑り易い大岩がゴロゴロして、随所に梯子も有る息もつかせぬ急登が続き、ゼイゼイあえぎながらの急登が終わってもしばらくは相変わらす大岩のゴロゴロした登山道を登りアラスカ庭園に到着。此処から初めて樹林越しに周囲の薬師岳、水晶岳、黒部五郎岳等が現れて来ます。

アラスカ庭園より三俣蓮華岳、笠ケ岳、黒部五郎岳  奥日本庭園より薬師岳、剣岳、立山、水晶岳

今日は雲ノ平山荘までですので、周囲の山々の全貌を愛でながら雲ノ平山荘に到着。暫く休憩後折角ですので祖母岳まで散歩。山頂からは360度の大展望で槍ヶ岳も頭を出しています。雲ノ平山荘は渇水に付き水が優良なので、ついでにキャンプ場まで水汲み散歩。キャンプ場の水もかなり細くなっており、山荘のスタッフがポリタンで汲みに来ていますがなかなか満タンになりません。

雲ノ平にて                   タテヤマリンドウ

エゾシオガマ              夕照、水晶岳

山荘で寛いで居ると突然爆音がして富山県警のヘリが着陸し、一人の登山者を収容して飛び立っていきます。聞くところによると登って来た登山者が歩いて下山するのが怖い(?)とかで、スタッフの説得も効かず結局ヘリを呼んだとの事。事実かどうかは明確ではないのですが、考えさせられる事例です。夜見上げると夏の大三角形がはっきりと見えて明日も好天になりそうです。

コ-スタイム
太郎平小屋 (5:43) →薬師沢小屋 (8:27~8:56) →アラスカ庭園(11:30~11:54) →雲ノ平山荘(12:53)

8月11日
予想通り、今日もピ-カンの快晴です。雲の平もお花畑は無くて、チングルマの綿毛が夜露に濡れています。祖父岳分岐まではハイマツの中の狭い登山道を歩きます。祖父岳北側のガレ場付近は少しお花畑が残っており各々朝日が当たる花を写真に収めます。

夜明けの笠ヶ岳、黒部五郎岳          大日岳、剣岳、立山が朝日に照らされて

祖父岳の巻き道に掛かると、今日辿るルート、明日辿る予定の黒部五郎岳から太郎平への稜線が青空を背景にくっきり見えて来ます。巻き道が終わると黒部源流への急坂を下り、ロープが張られた所を石伝いに渡ります。水量が少ない今は簡単に渡れますが雨後の増水時は大変でしょう。

黒部源流に下ります               三俣峠のお花畑

沢沿いの登山道を登り切ると三俣キャンプ場に到着。三俣山荘はすぐ横に有り、北アルプスの要衝に有る小屋の前には大勢の登山者が休憩中で、我々もその仲間に入ります。

三俣蓮華岳より槍ヶ岳、穂高連峰        三俣蓮華岳より、黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳、鷲羽岳の峰々
当初山荘からは三俣蓮華岳の巻き道を辿るつもりでしたが、天気も安定しているので山頂の絶景を期待して山頂経由で黒部五郎小屋に向かうことにしますが、遮るものの無い強い日差しに曝されながらの急登は堪えますが、登り着いた山頂は今までの疲れを吹き飛ばすほどの絶景が広がり三俣蓮華岳を経由するル-トは大正解です。

三俣蓮華岳山頂にて                黒部五郎小屋が見えて来ました

しばし360度の絶景を堪能し、写真も十分に撮り黒部五郎小屋に下ります。黒部五郎小屋では明日は朝食を弁当にして頂き、早朝からの出発を考慮して4人分の個室にします。

 

コ-スタイム
雲ノ平山荘(5:45) →祖父岳分岐 (6:52) →黒部川渡渉点(8:15~8:32)→三俣山荘(9:15~9:47)→三俣蓮華岳(10:59~11:27)→黒部五郎小屋(13:29)

8月12日
いよいよ最終日で一気に折立迄下りますので何時もより1時間余り早出をします。月明かりで冬の星座ははっきりとは確認できませんが、今日も快晴の様です。ヘッドランプを点灯して出発しますが黒部五郎岳のカ-ルに入る頃には足元が明るくなって来ます。

黒部五郎小屋を早めに出発            朝の黒部五郎岳のカ-ル
カ-ルの中には所々冷たい水が流れていて
喉を潤しながら登ります。12年前にはカ-ル壁基部には残雪が有り、記念に写真を撮りましたが、今残雪は全く有りません。矢張り温暖化の影響なのでしょうか。カール壁の急登を息を切らして登り着いた黒部五郎岳の肩には数多くのザックがデポされており、我々もデポして山頂に向かいます。

カ-ル壁を登ります              黒部五郎岳山頂にて

登り着いた黒部五郎岳の山頂は昨日と同様360度の大絶景が広がり、昨日見えなかった後立山北部の白馬岳、五竜岳等も見えています。只西側に見える白山連峰は昨日程はっきりとは見えません。此処でも絶景を楽しんだ後肩まで下り、お弁当にして頂いた朝食を摂ります。太郎平迄の穏やかな稜線では、お盆休みの2日目なので太郎平から登って来られたと思われる登山者と次々とすれ違います。

黒部五郎岳より薬師岳、剣岳、立山、後立山の峰々  トウヤクリンドウ

天気予報通り天気は徐々に下り坂の様で赤木岳を過ぎた辺りから北側の山々に雲が掛かり始めます。北ノ俣岳を下りだすと眼下に太郎平小屋が見えて来ます。直ぐ近くに見えるのですが稜線は回り込む様に下っていますのでなかなか近づきません。

砂浴びする雷鳥                 太郎平小屋に戻って来ました

一人の方が草原にカメラを向けておられますので近づいて見ると直ぐそこに雷鳥の親子が3羽ハイマツの中で動き回っています。やがて親鳥だけが登山道に出て来て砂浴びを始めます。日本の雷鳥は人間を恐れないとは聞いていましたが、これほど大胆とは思わず、夢中でカメラを動画に切り替えます。しばし砂浴びをしていた親鳥はひな鳥が呼んだのか慌ててひな鳥の方に走って行きますので思わず笑ってしまいます。太郎平小屋に付いた頃は周りはすっかりガスに囲まれていますが、暫く休憩後後3時間の折立迄の道を下って行きます。

4日間、お疲れ様              雲ノ平~三俣蓮華岳~黒部五郎岳ル-ト図(クリック拡大)

下った折立の駐車場は満杯で道路には多くの車が縦列駐車しています。これから金谷温泉で入浴後長い帰路が待っています。4日間ほぼ好天に恵まれた周回は楽しかったですが、お疲れ様でした。

コ-スタイム
黒部五郎小屋(4:34) →黒部五郎岳の肩 (6:39~6:46) →黒部五郎岳(6:58~7:12)→黒部五郎岳の肩 (7:21~7:40)→中俣乗越(9:04)→赤木岳(10:03)→北ノ俣岳(10:41~10:54)→太郎平小屋(12:27~12:53)→折立登山口 (15:49)