参加者 OM(単独)
2021年4月25日
御前岳は四半世紀ぶりです。前回は小鳥湖側の栗ケ谷川から籾糠山に登り猿ヶ馬場山に寄ってから御前岳経由で栗ケ谷川に下山しましたが、栗ケ岳に寄らずに下山してしまい、何時か機会が有れば栗ケ岳にも登ってみたいと思っており、今年の小鳥湖側の県道の開通を待って早速実施ですが、ネット情報では稜線の雪解けがかなり進んでいるとの事で、ヤブ漕ぎ覚悟の実行です。又、今回は前回とは逆方向の周回、ヤブの露出が前回より多い等の悪い条件を加味し13~14時間で計画しました。結果としては猿ヶ馬場山、籾糠山などとんでもない+最悪の失態になってしまいました。
前日は東海北陸自動車道荘川インタ-出口の道の駅で車中泊。翌日は栗ヶ谷川林道のとうぞう谷とはげくら谷手前の広場に駐車し予定通り午前4時に出発。栗ヶ谷川の橋を渡りはげくら谷の荒れた林道を辿りますが一つ目の林道ははげくら谷の橋が無くなっています。もう一方の林道は直ぐに崩壊していますので、はげくら谷の渡渉点を探しますが雪解けで増水しており適当な渡渉点が無く沢を詰めるとゴルジュの手前で何とか渡渉し崖をよじ登りますが下降したくない所です。登り切るとはげくら谷で寸断された林道に当たり、それを横切って尾根に取り付きます。
とうぞう谷・はげくら谷出合手前の林道脇に駐車 檜の細尾根を右往左往
尾根は予想通り灌木と笹の薄いヤブで若干登りにくい程度ですがP1320辺りからは大木も交じった檜の細い尾根になって来て右に左にと通過可能な所を探しながらの登行で疲れるばかりで思う様に進まず、雪が現れたのがCo1490m付近からです。
此処でこれ以上疲れない様に滑り止めの軽アイゼンを履きます。稜線に登り着くとネット情報以上に雪解けが進んでおりヤブの露出はかなりの部分です。
Co1490m付近で雪が現れて来る 御前岳への稜線はヤブが露出しています
この時点では猿ヶ馬場山は諦めていませんでしたが、稜線のヤブはお腹辺りまでの笹で、手でかき分けられずに新雪での登りのラッセルと同じ様に足を持ち上げて前に出し笹を引っ張りながら体を持ち上げる。の繰り返しで笹に絡まってなかなか足が持ち上がりません。これに灌木が追加されると最悪に近いヤブ漕ぎです。身の丈を越える笹ヤブといい勝負か?。こんな状態で何とか予定していた時間より1時間程遅れて御前岳に到着しましたが、すっかり疲れてしまいました。
笹ヤブに埋没しそうです 御前岳山頂にて
猿ヶ馬場山までの稜線は見た所雪が繋がってはいますが、籾糠山は一部雪が切れているようです。
又、籾糠山からの下山予定の尾根はこちらと同様Co1400m付近以下は雪が見られません。10年前に登った時は根曲がり竹のヤブで難渋したと記録されていますので、下りとは言え時間が掛かることが予想され、当初の逆周回は諦めて四半世紀前は登れなかった栗ケ岳に寄り道して下山することにしました。
山頂より猿ヶ馬場山(左)、籾糠山(中央の尖った山) 山頂より白山方面
帰りも登りのヤブは同様ですが下りのヤブが多いのでかなり楽で、栗ケ岳に到着。御前岳の山頂と同様真っ白の別山~白山~白山北方の山々が目の前で、御前岳からは曇って見えなかった御嶽、乗鞍、北アが雲の上に顔を出して来ましたが天気は悪化の気配です。午後から風が強くなるとの予報通り風が強くなって来たのでヤブの陰で風を避けて昼食。昼食後戻って下山開始。朝は開いていなかったイワウチワの各所の群落が満開状態で写真を撮りながら下降。
帰る途中で栗ケ岳、乗鞍、御嶽が見えて来ました 可憐なイワカガミ
はげくら谷は朝以上の水量でなかなかわたる所が見当たらないので適当な所を渡渉しますが、此処で大失態。足を滑らせて完全に着水。濡れネズミならず濡れジジイです。
林道の橋は有りません 御前岳・栗ケ岳ル-ト図(クリック拡大)
取り敢えず水を絞って大急ぎで車まで戻りますが風もきつくなって体が冷えて震えが止まりません。濡れ物を全部脱いで車中泊用の防寒具を着、車の暖房を最大限に上げてしのぎますが、車を奥まで乗り入れていたのが幸いでした。おまけに車を出たとたんに雨が降り出して来ました。当初の予定通り進んでいたらヤブの中で雨に降られたところです。川で濡れるよりはましかも知れませんが雨のヤブ漕ぎも避けたい所です。四半世紀前の御前岳も下山時にトラブルが有り、どうもこの山とは相性が悪いようです。
コ-スタイム
栗ケ谷林道駐車地(3:50~4:00) →はげくら渡渉点(4:35)→栗ケ谷~御前岳稜線(8:15)→御前岳(9:54~10:14)→下降点(11:37)→栗ケ谷(12:05~12:42) →下降点(13:02)→はげくら谷、とうぞう谷出合(15:45)→栗ケ谷林道駐車地(16:33)